CTR・CVR・CPC・ROIの違いと計算例
広告やWeb集客の数字は、表示からクリック、成果、売上、利益へと順につながっています。ここでは主要な指標の意味と計算式を確認したうえで、1つの広告キャンペーンの数値を最初から最後まで通して計算し、指標を読み違えやすい場面も整理します。
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4つの指標は「どこからどこへ」の割合や単価
CTR・CVR・CPC・ROIは名前が似ていますが、測っている区間がそれぞれ違います。広告が表示され、クリックされ、サイトで購入や申込みなどの成果(コンバージョン)に至り、その結果として売上と利益が生まれる、という流れのどこを切り取っているかを意識すると整理しやすくなります。
CTR(クリック率)は表示からクリックへ進んだ割合、CVR(コンバージョン率)はクリックや訪問から成果へ進んだ割合です。CPC(クリック単価)はクリック1回あたりにかかった費用、ROI(投資利益率)はかけた費用に対してどれだけ利益が増えたかを表します。前の2つは「割合」、CPCは「単価」、ROIは「採算」の指標といえます。
- CTR(%)= クリック数 ÷ 表示回数 × 100
- CVR(%)= コンバージョン数 ÷ クリック数(またはセッション数)× 100
- CPC(円)= 広告費 ÷ クリック数
- CPA(円)= 広告費 ÷ コンバージョン数
- ROAS(%)= 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100
- ROI(%)=(利益 − 投資額)÷ 投資額 × 100
1つの広告キャンペーンで通して計算する
ある商品の広告を1か月配信した結果、表示回数が200,000回、クリック数が3,000回、広告費が300,000円、購入が60件だったとします。商品の単価は12,000円、原価率は50%です。
まずCTRは3,000÷200,000×100で1.5%です。CPCは300,000円÷3,000回で100円になります。表示1,000回あたりの費用(CPM)に直すと1,500円です。
次にCVRは、クリックを分母にすると60÷3,000×100で2.0%です。1件の購入を得るのにかかった費用であるCPAは300,000円÷60件で5,000円です。CPAはCPC÷CVRでも求められ、100円÷0.02で同じ5,000円になります。
売上は12,000円×60件で720,000円なので、ROASは720,000÷300,000×100で240%です。原価率50%から粗利は360,000円となり、ROIは(360,000−300,000)÷300,000×100で20%になります。広告費300,000円を使って、それを差し引いても60,000円の利益が残った、という意味です。
- CTR 1.5%(3,000 ÷ 200,000)
- CPC 100円(300,000円 ÷ 3,000)
- CVR 2.0%(60 ÷ 3,000)
- CPA 5,000円(300,000円 ÷ 60)
- ROAS 240%(720,000円 ÷ 300,000円)
- ROI 20%((360,000円 − 300,000円)÷ 300,000円)
ROIとROASの違い:売上で見るか利益で見るか
ROASは売上を、ROIは利益をもとにした指標です。ROASが100%を超えていても、黒字とは限りません。上の例ではROASが240%でしたが、原価を差し引いた粗利で見たROIは20%にとどまります。
損益の分かれ目は、ROASでいえば「1÷粗利率×100」です。粗利率50%なら損益分岐のROASは200%で、これを下回ると広告費が粗利を食いつぶして赤字になります。粗利率が20%の商品なら、分岐点は500%まで上がります。同じROAS240%でも、商品の利益率によって評価がまったく変わるということです。
なお、ROIの式は分野や社内ルールによって異なります。ここでは「(利益−投資額)÷投資額」とし、0%が投資額ちょうどの回収、プラスなら投資を上回る利益を意味します。一方で「利益÷投資額」を回収率として示す場合もあり、上の例では120%(回収倍率1.2倍)です。数字を比べるときは、どちらの定義かを必ず確認してください。また、利益に人件費や制作費などの固定費を含めるかどうかでもROIは変わります。
指標を読み違えやすい3つの場面
1つ目は、割合の単純平均です。広告Aが表示1,000回でクリック100回(CTR10%)、広告Bが表示100,000回でクリック100回(CTR0.1%)だった場合、2つのCTRを足して2で割ると5.05%になります。しかし全体ではクリック200回÷表示101,000回で約0.20%です。割合をまとめるときは、分子と分母をそれぞれ合計してから割るのが原則です。
2つ目は、分母の違いです。CVRはクリック数を分母にすることも、セッション数(訪問数)を分母にすることもあります。広告のクリック数とサイトのセッション数は、計測方法の違いや再訪問によって一致しないことが多く、分母が違えばCVRも変わります。期間や媒体で比較するときは、同じ分母で揃えましょう。
3つ目は、1つの指標だけを最適化することです。たとえば広告文を刺激的にしてCTRが1.5%から3.0%に倍増し、表示回数とCPCは変わらなかったとします。クリックは6,000回、広告費は600,000円に増えますが、興味の薄い人が増えてCVRが1.0%に下がると、購入は60件のままでCPAは10,000円に悪化します。CTRの改善が、そのまま成果の改善になるとは限りません。
件数が少ないときの割合にも注意が必要です。クリック50回で成果2件ならCVRは4%ですが、1件増減するだけで2%にも6%にも動きます。判断する前に、ある程度の件数がたまるまで待つことも大切です。
計算ツールで確かめる
それぞれの指標は、クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、クリック単価(CPC)、費用対利益(ROI)の各計算ツールで求められます。CTRのツールは表示1,000回あたりのクリック数も表示します。CVRのツールでは、現在のセッション数のまま目標CVRに届くには何件の成果が必要かを、1%から10%の目標ごとに逆算できます。
CPCのツールは出稿予算を入れると見込みクリック数を試算でき、ROIのツールは利益を直接入力するか、売上と原価から利益を求めるかを選べます。成果単価や売上ベースの効率を見たいときは、顧客獲得単価(CPA)や費用対売上(ROAS)の計算もあわせて使うと、表示から利益までの流れを一通り確認できます。