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六曜・一粒万倍日・天赦日はどう決まる?暦注の仕組み

カレンダーに書かれた「大安」「一粒万倍日」「天赦日」は、占いのように見えて、実は決まった計算ルールで機械的に割り当てられています。ここではそれぞれがどのように決まるのかを、2026年の実際の日付で確かめていきます。なお、これらの暦注に科学的な根拠はなく、あくまで文化的な慣習として紹介します。

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暦注は文化的な慣習であって科学ではない

暦注(れきちゅう)とは、暦の日付に書き添えられた吉凶や運勢の注記のことです。六曜・十二直・二十八宿・選日(一粒万倍日、天赦日、不成就日など)といった種類があり、古くから冠婚葬祭や商売の日取りの目安として使われてきました。明治の改暦以降、こうした注記は公的な暦からは外れ、現在は民間の暦やカレンダーに受け継がれています。

最初に押さえておきたいのは、暦注はいずれも干支や旧暦の日付から機械的に割り当てられたもので、その日に起こる出来事との因果関係が確かめられたものではないという点です。仏滅に結婚したから不幸になる、一粒万倍日に始めたから成功する、といった科学的な根拠はありません。

それでも、結婚式場の予約状況や葬儀の日程に今も影響を与えているように、暦注は生活文化の一部として残っています。仕組みを知っておくと、家族や取引先の意向を尊重しつつ、必要以上に振り回されずに日取りを考えられます。

土台になる旧暦は月の満ち欠けと二十四節気で決まる

六曜や不成就日の計算に使う旧暦は、月の満ち欠けを基本にしながら季節とのずれを調整する太陰太陽暦です。新月(朔)の日を各月の1日とし、ひと月は29日か30日になります。12か月では約354日で太陽の1年より約11日短いため、そのままでは季節がずれていきます。

そこで使われるのが二十四節気です。太陽の通り道(黄道)を24等分した点のうち、春分・夏至などの「中気」を含む月に、その中気に対応する月名を付けます。中気を含まない月が現れたときは、それを閏月とし、前の月と同じ月名に「閏」を付けます。こうして、平均すると約3年に1度の割合で13か月の年が生まれます。

新月の瞬間がどの日に入るかで月の始まりが決まるため、旧暦は「どの地点の時刻で計算するか」によって変わることがあります。日本の旧暦は日本時間で計算します。たとえば2026年の旧暦9月1日は、日本時間では10月11日ですが、中国の標準時(UTC+8)で計算する農暦では10月10日です。新月が日本時間ではすでに日付が変わった後、中国時間ではまだ前日のうちに訪れるためです。

六曜:旧暦の「月+日」を6で割った余りで決まる

六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)は、旧暦の月と日の数を足して6で割った余りで決まります。余りが0なら大安、1なら赤口、2なら先勝、3なら友引、4なら先負、5なら仏滅です。この結果、旧暦の各月1日の六曜は固定され、1月と7月は先勝、2月と8月は友引、3月と9月は先負、4月と10月は仏滅、5月と11月は大安、6月と12月は赤口から始まります。閏月は、元の月と同じ番号の月として数えます。

月の途中は先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順に1日ずつ進みますが、旧暦の月が変わると並びが飛びます。2026年の例では、旧暦の正月1日にあたる2月17日は先勝、旧暦2月1日の3月19日は友引です。また11月8日(旧暦9月29日)が先勝のあと、翌9日は旧暦10月1日なので仏滅になり、友引と先負が飛ばされます。「六曜は6日周期」と思っていると、こうした月替わりで予想が外れます。

それぞれの意味は、大安は終日吉、仏滅は万事に凶、友引は朝夕が吉で正午は凶、先勝は午前が吉、先負は午後が吉、赤口は正午前後のみ吉とされるのが一般的です。友引の日に葬儀を避ける習慣から、友引を休業日にしている火葬場もあります。

一粒万倍日:節月の十二支と日の十二支の組み合わせ

一粒万倍日は「一粒の籾が万倍にも実る」日とされ、物事を始めるのによいとされます。こちらは旧暦の月日ではなく、二十四節気の「節」で区切った節月と、日ごとに割り当てられた十二支の組み合わせで決まります。節月は立春から啓蟄の前日までが正月(寅月)、啓蟄から清明の前日までが二月(卯月)……というように、毎月の節入りで切り替わります。

一般に流布している配当表では、寅月は丑と午の日、卯月は寅と酉の日、辰月は子と卯の日、巳月は卯と辰の日、午月は巳と午の日、未月は酉と午の日、申月は子と未の日、酉月は卯と申の日、戌月は酉と午の日、亥月は酉と戌の日、子月は亥と子の日、丑月は卯と子の日が一粒万倍日です。十二支は12日で一巡するため、ひと月にだいたい4〜7日現れ、2026年は合計64日あります。

節入りをまたぐと規則が切り替わる様子は、2026年11月で確認できます。立冬(11月7日)の前は戌月なので、午の日の11月4日が一粒万倍日です。立冬からは亥月に変わり、酉の日の11月7日と戌の日の11月8日が一粒万倍日になります。なお、配当表には暦によって異なる流儀があり、別の暦では日付が一致しないこともあります。

天赦日:季節ごとに決まった干支の日

天赦日(てんしゃにち)は、天がすべての罪を赦す日とされ、暦注の中でも最上の吉日と呼ばれます。決め方は、季節(節月による春夏秋冬)と、十干と十二支を組み合わせた60通りの日の干支によります。春(立春〜立夏の前日)は戊寅、夏(立夏〜立秋の前日)は甲午、秋(立秋〜立冬の前日)は戊申、冬(立冬〜立春の前日)は甲子の日が天赦日です。

日の干支は60日で一巡し、季節はおよそ90日あるので、各季節に該当する日は1回か2回です。そのため天赦日は年に5〜6日しかありません。2026年は3月5日(木)、5月4日(月・祝)、5月20日(水)、7月19日(日)、10月1日(木)、12月16日(水)の6日です。

天赦日が一粒万倍日と重なる日は特に縁起がよいとして話題になりやすく、2026年は3月5日・7月19日・10月1日・12月16日の4日が該当します。一方、5月20日と7月19日は凶日とされる不成就日とも重なっています。吉日と凶日が同じ日に重なるのは、それぞれ別のルールで独立に割り当てられているからで、暦注が互いに矛盾なく設計されたものではないことの表れでもあります。

不成就日と、暦注との付き合い方

不成就日(ふじょうじゅび)は、何事も成就しない日とされる凶日です。旧暦の月ごとに最初の日が決まっていて、そこから8日おきに巡ります。旧暦1月・7月は3日、2月・8月は2日、3月・9月は1日、4月・10月は4日、5月・11月は5日、6月・12月は6日が最初の不成就日で、1月なら3日・11日・19日・27日となります。

このように、六曜は旧暦の月日、一粒万倍日は節月と十二支、天赦日は季節と干支、不成就日は旧暦の月日と、暦注ごとに使う「物差し」が違います。どの暦注を重視するかは地域や家庭、業界の慣習によってさまざまで、絶対的な決まりはありません。

日取りを決めるときは、暦注は参加者の気持ちに配慮するための材料のひとつと考え、会場の空き状況や参加者の都合、費用など実際的な条件と合わせて判断するのが現実的です。旧暦の月日や六曜、一粒万倍日・天赦日・不成就日は計算ツールで日付ごとに一覧できます。

  • 六曜:旧暦の(月+日)÷6の余りで決まる
  • 一粒万倍日:節月の十二支ごとに決まった2つの十二支の日
  • 天赦日:春は戊寅、夏は甲午、秋は戊申、冬は甲子の日
  • 不成就日:旧暦の月ごとの起点から8日おき

この記事で使える計算ツール