面積の求め方まとめ:公式と理由
面積の公式は数が多く見えますが、多くは「長方形」と「三角形」の考え方から導けます。ここでは代表的な図形の公式を理由とあわせて整理し、具体的な数値で計算の手順と注意点を確認します。
最終更新:
出発点は長方形:たて×よこ
面積は「1辺1の正方形がいくつ入るか」を数えたものです。たて3.6 m、よこ2.7 mの長方形の部屋なら、3.6×2.7=9.72 m²になります。周の長さは2×(3.6+2.7)=12.6 m、対角線は三平方の定理で√(3.6²+2.7²)=4.5 mです。面積と周の長さは別の量なので、周が同じでも面積が同じとは限りません。
平行四辺形は、片側の三角形を切り取って反対側に移すと長方形に変形できるため、面積は底辺×高さになります。ここでいう高さは、底辺に垂直な距離です。底辺7 cm、高さ4 cm、斜めの辺が5 cmの平行四辺形の面積は7×4=28 cm²で、斜辺の5 cmを使って7×5=35 cm²とするのは誤りです。
ひし形は対角線が直交するので、対角線p、qを辺とする長方形のちょうど半分になります。面積はp×q÷2です。対角線が6 cmと8 cmなら面積は24 cm²、1辺は√(3²+4²)=5 cmです。ひし形は平行四辺形の一種でもあるので、1辺×高さでも求められます。
- 長方形:たて×よこ
- 平行四辺形:底辺×高さ(高さは底辺に垂直な距離)
- ひし形:対角線×対角線÷2
三角形と台形:「÷2」の理由
三角形は、同じ三角形をもう1つ逆さにして並べると平行四辺形になります。だから面積は底辺×高さ÷2です。底辺8 cm、高さ5 cmなら8×5÷2=20 cm²です。鈍角三角形では高さが三角形の外側に出ることがありますが、底辺を延長した線への垂直距離を使えば同じ公式が成り立ちます。
高さがわからず3辺の長さだけがわかっている場合は、ヘロンの公式が使えます。3辺をa、b、c、s=(a+b+c)÷2とすると、面積は√(s(s−a)(s−b)(s−c))です。3辺が13、14、15ならs=21で、√(21×8×7×6)=√7056=84になります。ただし、どの2辺の和も残りの1辺より長くないと三角形は作れないので、たとえば3、4、8のような組み合わせでは計算できません。
台形も、同じ台形を逆さにしてつなげると、底辺が(上底+下底)の平行四辺形になります。したがって面積は(上底+下底)×高さ÷2です。上底4 cm、下底10 cm、高さ6 cmなら(4+10)×6÷2=42 cm²です。(上底+下底)÷2は台形の中央線の長さにあたり、「中央線×高さ」と考えることもできます。
- 三角形:底辺×高さ÷2
- ヘロンの公式:√(s(s−a)(s−b)(s−c))、s=(a+b+c)÷2
- 台形:(上底+下底)×高さ÷2
円・扇形・楕円:πが出てくる図形
円の面積はπr²です。円を細かい扇形に切って互い違いに並べると、たてが半径r、よこが円周の半分πrの長方形に近づくので、r×πr=πr²となります。半径10 cmの円は約314.16 cm²です。円周率を3.14で計算すると314 cm²になり、精度が必要な場面では差が出ます。
扇形は円の一部なので、面積は円の面積に「中心角÷360°」を掛けて求めます。半径12 cm、中心角60°なら、144π×60÷360=24π≒75.40 cm²です。弧の長さは2π×12×60÷360=4π≒12.57 cmなので、扇形の周の長さは弧に半径2本を足して約36.57 cmになります。中心角をラジアンθで表す場合は、面積はr²θ÷2です。
楕円の面積は、長半径a、短半径bを使ってπabです。円を一方向に引き伸ばした形なので、半径r×rがa×bに置き換わったと考えると覚えやすいでしょう。a=5 cm、b=3 cmなら15π≒47.12 cm²です。直径(長径・短径)をそのまま入れると4倍の値になってしまうので、半径を使っているか確認してください。なお楕円の周の長さは簡単な式では表せず、近似式で求めるのが一般的です。
身近な例として、直径30 cmのピザ1枚と直径21 cmのピザ2枚を比べてみます。30 cmは半径15 cmで約706.86 cm²、21 cmは半径10.5 cmで1枚約346.36 cm²、2枚で約692.72 cm²です。直径の合計は2枚のほうが大きいのに、面積は1枚のほうがわずかに広くなります。
- 円:πr²
- 扇形:πr²×中心角÷360°(ラジアンならr²θ÷2)
- 楕円:πab(a、bは半径)
正多角形:三角形に分けて考える
正n角形は、中心から各頂点に線を引くと、合同な二等辺三角形n個に分けられます。中心から辺までの距離(辺心距離)を高さとすると、面積は周の長さ×辺心距離÷2です。1辺の長さsだけで表すと、n×s²÷(4×tan(180°÷n))になります。
1辺4 cmの正六角形なら、6×16÷(4×tan30°)≒41.57 cm²です。正六角形は正三角形6個に分けられるので、1辺4 cmの正三角形の面積(√3÷4×16≒6.93 cm²)の6倍としても同じ値になります。1辺2 cmの正八角形は約19.31 cm²です。
半径1の円に内接する正多角形の面積は、正六角形で約2.598、正十二角形でちょうど3、正百角形で約3.1395と、辺の数を増やすほどπ(約3.1416)に近づきます。円の面積の公式とのつながりがわかる例です。
単位の扱いとよくある間違い
面積の単位は長さの単位の2乗です。1 m=100 cmなので、1 m²=100×100=10,000 cm²になります。先ほどの部屋を360 cm×270 cmで計算すると97,200 cm²で、これをm²に直すには10,000で割って9.72 m²です。100で割って972 m²としてしまう間違いがよくあります。
また、図形の長さをすべて2倍にすると、面積は2×2=4倍になります。直径を2倍にしたピザは面積が4倍、3倍なら9倍です。拡大・縮小の比をそのまま面積に当てはめないよう注意しましょう。
- 縦と横の単位をそろえてから掛ける
- 1 m²=10,000 cm²、1 km²=1,000,000 m²
- 高さは斜辺ではなく、底辺に垂直な距離を使う
- 円・楕円は直径でなく半径を使う
- 長さが k 倍になると面積は k² 倍